【ウォーブレで学ぶ】二変数化

 皆さまお久しぶりです。ウォーブレセカンドがリリースされてから当ブログを更新する予定だったんですが、無印ウォーブレの一時的な終了からもう数か月です。これはウォーブレセカンドの制作が難航していると予想されるため、今回は場繋ぎのために新しい記事を書こうと思います。

 

 では早速本題に入りましょう。今回扱うのは「二変数化」という、一部ボードゲームで重要となるテクニックです。まず二変数化がどういったものか漠然と捉えていただき、次にウォーブレでは二変数化をどのように扱うかを解説します。ウォーブレでの二変数化の扱い方は多くのTCGで応用が効くので、是非ご一読下さい。

 

1.二変数化の説明

 以下はポーカーをプレイした人がよく経験する状況です。

「相手がオールイン(全額ベット)、乗るべきか反るべきか。」

「自分が先に行動。いくらベットすべきか。」

 

 ありがちな選択肢ですが、前者と後者では決定的な違いがあります。ポーカー未経験の方でも容易に想像できるかとは思いますが、前者は2つに1つ(1か0か)の選択肢で後者は数字を設定する選択肢です。

 (注意ですが前者の選択肢は2択である必要はありません。ポーカーがルール上、相手のオールインに対して取れる行動が2つしかないだけで、ボードゲームでの選択肢の多くは3択以上です。)

 

 上記の例で分かる通り、選択肢の性質には二種類あり

"煩雑な"複数の選択肢から、行動を選ぶもの

自分で数値を設定するもの

という2通りに分類できます。

 

 今回扱う二変数化は「自分で数値を設定する選択肢」で便利なテクニックとなります。例えば先ほど例で取り上げた「どれだけベットするか」では、

自分の手が強い程、ベット額を高くする」

相手がアグレッシブな(なかなか降りない)プレイヤーである程、ベット額を高くする」

といった二変数化が頻出します。

 

 

2.ウォーブレでの二変数化を使い方

 ウォーブレで特に二変数化が役立つのはデッキ構築段階での「カードを何枚採用するか」というタイミングです。

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 画像のカードを覚えているでしょうか?かなり凶悪なカードだったのですが、関係者曰く、対戦相手と自分の幸福値の合計が一定に保たれるため、問題のないカードとされていたそうです。では例題としてこの「堕天妃の急襲」の採用枚数を考察してみましょう。

 

 まあ答えを勿体ぶる話でもないですね。

コントロール寄りであるほど、採用枚数を増やしたい」

というのが、急襲の採用枚数の考え方の基本です。具体的にどの程度コントロール寄りなら何枚採用されるかについては当記事では取り扱いません。ここでは「○○であるほど、増やせるor減らせる」というのが二変数化の基盤であると理解してください。

 

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 では早速問題を。ここからが、二変数化を効率的にTCGで使うテクニックの紹介となります。

 

Q:「あなたのマグナデッキ40枚に、さらに好きな枚数だけイプシロンを増やして良い場合、何枚追加投入すべきでしょう(総デッキ枚数は40+追加分となる)」

 

 謎めいた問題ですが、これこそイプシロンの真価を理解するショートカットなのです。いくらイプシロンがパワーカードと言えど、100枚追加してしまうと最弱のデッキに変貌しますし、現実問題10枚はおろか5~6枚の追加でも異様な事故率に悩まされてしまうでしょう。

 何故このような現象が起こるのか、と考えた場合にイプシロンの本質である

1コストのカードや展開出来る2コストのカードと相性が良い

という点に気づくことが出来ます。

 

 今回の問題のポイントは

イプシロンを追加投入するほど、デッキの展開系のカードの割合が減り、結果としてイプシロン自身の価値を落とす。

という点に気づけるかどうかです。ここに気づいた場合、追加の投入枚数は展開系のカードが非常に多い場合で2~3枚、そうでなければ1枚追加するかどうか、という程度の問題だったと分かります。

 

 このような思考実験はデッキ構築において大きな意味を持ちます。今回の問題でも

「1~2コストのカードを減らすなら、セットでイプシロンも減らすべきかもしれない

「1~2コストのユニットとイプシロンを丸ごと抜けば、新たなデッキに到達出来るかも

 という仮説を立てることができます。

 

 他TCGでも同様に

もしこのカードが追加可能なら何枚追加するか」(これが二変数の片方、x軸)

「追加枚数が多いためには、どういった要素が必要か」(これが二変数のもう一方、y軸)

 を考えてみて下さい。採用枚数の調整や新デッキの考察の一助を担うはずです。

 

 

ちなみに僕は他にも

「初期手札がn枚に変更されたなら、○○はm枚採用する」

(ウォーブレの初期手札は3枚。これがもし0枚なら、"均衡の指導者"等のカードの価値が下がる)

「初期メモリーがnメモリーなら、○○はm枚採用する」

(ウォーブレの初期メモリーは0)

といった思考実験をよくします。面倒なので本ブログでは取り扱いませんが、これらもデッキを考える上で結構役に立ちます。

 

 

 

3.二変数化の応用

 

 麻雀では

○○順目までなら押し、○○順目以降は降り。

という判断基準がよく使われます。選択肢そのものは、危険牌を引くたびに都度押すか引くか考えるという二者択一なものですが、二変数化を取り入れたことで、より精密な判断が可能となっています。

 

 TCGでも例えば「"拡がりゆく虫害"を使うべきか温存すべきか」という状況ではこの二変数化の応用が使えるかもしれません

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 取りあえずここでは、二者択一の選択肢では二変数化の応用が可能と覚えておいてください。もしゲームを制作する場合、二変数化の応用が使えるように工夫すれば、良い味を出す可能性があります。

 

【あとがき】

 ここまで読んで頂きありがとう御座いました。二変数化の解説は以上となります。正直、無理してTCGに流用する意義が薄い内容だったため楽しめなかった人も多いかもしれません。しかし、皆無と言っていいブログへのモチベーションから新たな記事が出来上がったことは奇跡です。そしてこの奇跡を生んだのは紛れもなくウォーブレです。次こそはウォーブレセカンドで会いましょう。