【ウォーブレで学ぶ】比較三原則
前回の記事では読みを取り扱いました。ゲーム性の理解や研究には持って来いな内容だったのですが、上達を第一に考えている人にとっては痒い所に手が届かないものだったかもしれません。そのため今回はゲームの上達に直結する「比較」について取り扱おうと思います。ランクマッチで勝率5割前後の人が主な対象となるので、読者によっては前回と比べ楽しめないかもしれませんがご容赦下さい。
前回の読みと同様に「比較」においても、あらゆるゲームで共通しているテクニックが存在します。今回はそのテクニック、即ち「比較三原則」をウォーブレを例に用いながら解説していきます。
【原則1】選択肢を全て取り上げる
上の画像はとあるウォーブレゆっくり実況者の動画の1シーンです。B1環境で申し訳ないのですが、こちらの方が説得力が段違いなのです。(バスタンクはスタッツが4/5、ノポーは1/3です)
さて原則の1つ目、「選択肢を全て取り上げる」を早速実行しましょう。皆さんも面倒だと思いますが、このターンに取りうる動きを3~4パターンほど列挙してみてください。何が正しい行動かを考えたくなりますが、その前にそもそもどんな行動があり得るかを検討します。
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こちらが回答になります。(波線の内側は辛かったら読み飛ばしちゃってください)
①カニテツ→ノポーでガブロンを攻撃→ソウルバーストレベル1→バスタンクでシルヴィアを攻撃→マキ
②カニテツ→ガンヴィートでノポーを強化→ノポーでシルヴィアを攻撃→サリでガブロンを変換→バスタンクでガブロンを攻撃
③ ②の後 ソウルバーストレベル1
④カニテツ→サリでシルヴィアを変換→ノポーでガブロンを攻撃→バスタンクでシルヴィアを攻撃
⑤ ④の後 ソウルバーストレベル1
⑥カニテツ→ノポーでガブロンを攻撃→バスタンクでシルヴィアを攻撃→マキ
⑦サリでバスタンクを変換→バスタンクでシルヴィアを攻撃→ガンヴィートでノポーを強化→マキ→マキ起動→ノポーでガブロンを攻撃→ノポー起動
⑧ ⑦の後 ソウルバーストレベル2
⑨ガンヴィートでノポーを強化→ノポーでガブロンを攻撃→ソウルバーストレベル2→バスタンクでシルヴィアを攻撃→サリでバスタンクを変換→訂正でバスタンクを4/4に戻す→マキ
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じっくり精査してみると、以上9パターンがここでは考えられます。当たり前ですが、これだけ多岐にわたると実戦中に全パターンを把握するのは困難です。僕も実戦中は全ての選択肢の確認はしません。(できません。)
どこで選択肢の確認をしているかと言うとリプレイを見直す際にです。皆さんもリプレイ中に、じっくりと時間をかけて選択肢の確認作業を行ってください。(原則2で選択肢を探すコツも紹介します。)リプレイを見てどんな選択肢があったかを確認する癖を付けるだけでも実戦での思考がスムーズかつ的確なものになります。
先行ゲーやメンコと揶揄されることの多いシャドウバースですが、現在ホットなDTCGでリプレイ機能が常駐されてるのはシャドバだけです。考え方によってはDTCGの中でeスポーツの最先端走っている存在と言えるかもしれませんね。
選択肢を取り上げることが終わったら次にそれらの特徴を把握していく必要があります。原則2でそのコツを解説します。
【原則2】各選択肢の長所を理解する
原則1と同じ画像です。では早速何が長所か見ていきましょう。
では例として②を検討してみます。
②カニテツ→ガンヴィートでノポー強化→ノポーでシルヴィアを攻撃→サリでガブロンを変換→バスタンクでガブロンを攻撃
この動きの利点はソウルバーストを残しながらバスタンクを体力2で生存させていることです。反面、手札に温存させたいサリやガンヴィートをすべて消費してしまうのは欠点です。またマキが置けず盤面の横並びが薄いのも特徴でしょう。
次に③を見ます
②の後にソウルバーストレベル1
②と殆ど同じで、ソウルバーストが残らない代わりにバスタンクが4/5で残ります。当時はキングママの全盛期でもあったので、この選択肢も十分にあり得ました。
もうこの時点で察しがついた方もいると思いますが、この時点で考えることは
1.バスタンクをより大きい状態で生存させたい
2.ソウルバーストを温存したい
3.横に展開したい、出来ればマキを置きたい
4.特にログイン効果が強いサリとガンヴィートは温存したい
以上の4点が考慮するポイントになります。一応以下に選択肢の長所をまとめておきます。
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① バスタンクが体力2で生存。ソウルバースト使用。マキを置ける。ガンヴィートとサリが温存できる。
② バスタンクが体力2で生存。ソウルバーストを温存。マキが置けない。ガンヴィとサリが温存できない。
③ バスタンクが体力5で生存。ソウルバースト使用。マキが置けない。ガンヴィとサリが温存できない。
④ バスタンクが体力1で生存。ソウルバーストを温存。マキが置けない。ガンヴィを温存
⑤ バスタンクが体力4で生存。ソウルバーストを使用。マキが置けない。ガンヴィを温存
⑥ バスタンクが生存しない。ソウルバーストを温存。マキが置ける。ガンヴィとサリが温存できる。
⑦ バスタンクが3/1で生存。ソウルバーストを温存。マキが置ける。ガンヴィとサリが温存できない
⑧ バスタンクが3/4で生存。ソウルバースト使用。マキが置ける。ガンヴィとサリが温存できない
⑨ バスタンクが4/4で生存。ソウルバースト使用。マキが置ける。ガンヴィとサリが温存できない。
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ざっと見て頂けるとわかると思いますが、どの行動も先ほど挙げた4点の取捨選択に過ぎません。
もう既に察している方が多いかもしれませんが、選択肢を探すコツは「予め選択肢の長所となりえるものを考える」ことです。今回の手札であれば、
・マキを置く中で最良の動き
・サリまたはガンヴィを温存する中で最良の動き
・バスタンクが最も大きく残る動き
といった点から逆算して選択肢を考慮しています。大事なことなのでもう一度言いますが、「長所から逆算すると選択肢が探しやすい」のです。
さらに言うとTCGでは選択肢の長所となりえる要素はほぼ限定されています。
★盤面の強化、または処理
★手札等の温存
★プレイヤーの体力を減らす(または自分の回復)。OTKデッキであればコンボパーツの回収。
(★その他、ソウルの獲得やデッキ破壊など副次的なもの)
上記3点(4点)が全てのTCGにおいて選択肢の長所となりえる要素です。今回の記事の例題は盤面の強化と手札の温存の兼ね合いだったと分かりますね。相手の体力を減らすことも重要視される局面なら、選択肢はさらに多岐にわたってしまうところでした。(バスタンクで相手プレイヤーを攻撃する可能性もあった。)
ここまで読んでいただけると、リプレイを見る際に、各ターンで選択肢を列挙し、その特徴を把握していくことが重要だと分かっていただけたと思います。正直ここまでを実行すれば十分です。最後に自分なりの各ターンの最善手の結論を出せばトッププレイヤーの参入は待ったなしでしょう。一応、次に最善手の結論を出すコツを原則3で紹介します。ほぼ3原則の数合わせです。
【原則3】価値を評価する
同じ画像です。では早速、原則1で取り上げた9つの選択肢の内どれが最善手となるか検討していきましょう。まず各種の長所をより詳しく分析します。
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★ソウルバーストを温存する価値
・ソウルバーストレベル3でドローを狙えるかもしれない。
・オズワルドやカニテツといったソウル参照カードを強く保ちたい
★サリを温存する価値(ガンヴィートは割愛)
・当時採用率が高かったマキやキングママを相手が使って来た場合のカウンターとして有効
・イプシロンをドローした際に強い動きが狙える
・キングママをドローした際に決定打になりえる
★マキを置いておく価値
・ディアマンテへの有効な対策
・バスタンクと並べられると処理が困難
・相手が処理できなかった場合、盤面勝負の決定打になる
★バスタンクの体力の価値
・バスタンク非生存はジャゼロに弱い
・バスタンク体力1は当時採用率が高かったカニテツに弱い
・バスタンク体力2は当時採用率が高かったキングママに弱い
・バスタンク体力3~5は同等の生存率。体力が高い方が仕事の量に期待できる。
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改めて長所を分析するとこのようになります。この作業はリプレイを見直す際も特段必要なものではありません。ただし、要所だけは抑えるようにしましょう。
現時点で盤面は相当有利です。TCGでテンポでの有利が取れた場合は、そのテンポを最も維持できる選択肢が正着となることが殆どです。ウォーブレではバスタンクの体力を3~5で残す選択肢がそれに該当するでしょう。
もしテミスの審判のような確定全体除去があれば、マキを手札に温存し再度テンポ有利に立てる選択肢が最有力候補となりますし、ヘブンリーイージスのような無敵カードがあればガンヴィート系の盤面へ影響のあるカードの温存の価値は下がるので、ガンヴィやサリを使ってテンポの維持を図るのが望まれます。環境にどんなカードがあるかが最終的な判断に影響を及ぼすと覚えておいてください。
プレイ当時はバスタンクが体力3以上で生存し、なおかつ盤面勝負の決定打にできるマキ置きの両立ができる⑨を選択しました。
⑨ガンヴィートでノポーを強化→ノポーでガブロンを攻撃→ソウルバーストレベル2→バスタンクでシルヴィアを攻撃→サリでバスタンクを変換→訂正でバスタンクを4/4に戻す→マキ
一応これもメスジャゼロやラブレタージャゼロが裏目となります。展開のリソースを捨てソルバレベル3で手札を補充する権利も捨てたので、全体除去を通してしまうと建て直しが困難でした。とは言ったものの他の選択肢の裏目と比べると微々たるものかなとは思います。
【あとがき】
大事なことなので最後にもう一度言わせてください。
・各ターンで選択肢を纏めること
・選択肢の長所を把握すること
・各長所を評価すること
これらをリプレイで見直す際に行うと根本的な実力の向上につながるだけでなく、実戦で「最良の選択肢を選ぼうとする癖」が付きます。この癖があるかどうかでゲームの実力は大きく変わります、もちろんTCG以外のすべてのゲームにおいてこれは当てはまります。是非身に着けたいところですね。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。最終的に自己啓発本のような内容になってしまったことを後悔しているのですが、リプレイの見直しはゲームの実力向上には欠かせないことだと思うのでこのまま投稿しました。ウォーブレセカンドではリプレイ機能が実装されていることを切に願っております。(セカンド作ってくれるだけでも十分です)